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■ 刑事弁護人の活動について



(刑事事件で弁護人がすること)

刑事事件の依頼をした場合、どのようなことをしてもらえるのでしょうか?

刑事事件の弁護人というと、テレビドラマなどでは、被疑者(*1)や被告人(*2)に面会したり、法廷で証人尋問や弁論(*3)をする姿をよく見られます。しかし、そういう活動は弁護人の活動のごく一部で、実際はもっとたくさんの仕事をしているのです。

たとえば、逮捕された人やその親族などから相談があれば、以下のような活動を行います。
 ①すぐに面会して、事実を確認する
 ②学校や勤務先にすぐに連絡するかどうかの検討する
 ③事件現場や事件経緯を調査する
 ④被害者のある事件では、被害弁償をするか判断する
 ⑤被害者との示談交渉をする
 ⑥勾留(*4)されないよう、検察官や裁判官と交渉する
 ⑦勾留されたら異議申立をする
 ⑧勾留延長(*5)されないように交渉する
 ⑨勾留延長されたら異議申立する
 ⑩否認事件では、アリバイなどの調査をする
 ⑪起訴されないよう検察官との交渉をする

以上は起訴前の活動ですが、起訴されたら、以下のような活動を行います。
 ⑫保釈について検討する。保釈金の金額を予測し、どう工面するかなどを確認する
 ⑬起訴された事実を認めるのか争うのかを、被告人と打ち合わせをする
 ⑭検察官が裁判所に取調べ請求する予定の記録をコピーして検討する
 ⑮検察官が持っている他の証拠を見せるよう要求(開示請求)する
 ⑯証人尋問、被告人質問の打ち合わせをする

以上のように、弁護人の活動は数え切れないくらい多岐にわたります。

*1 起訴される前に取調を受けている人のことです。マスコミなどでは概ね「容疑者」と呼ばれています。
*2 起訴された後の呼び名です。マスコミでは概ね「被告」と呼ばれています。
*3 被告人の主張を述べることです。
*4 逮捕から通常2日後くらいに裁判所が10日間の拘束を決定することです。
*5 勾留をさらに最長10日間延ばすことです。

(早く出るためであれば、本当はしていなくても「した」と言うべきですか?)

学生である息子が傷害事件で逮捕されました。息子は被害者と別の人間がケンカするのを見ていただけというのですが、被害者は息子が殴ったと言っていて、警察はそれを信じているようです。否認していて、裁判になれば長く釈放されないと聞きます。認めて早く学業に打ち込める自由の身になったほうがいいのでは、とも思いますが、どうしたらよいでしょうか?

早く出たいという気持ちはわかりますが、自分がやってもいないのに、認めてしまうことは問題があります。何より、虚偽の事実を認めて、有罪判決を受けてしまったこと自体を後悔することが少なくありません。また、執行猶予付きの裁判で済んだとしても、執行猶予期間内に交通事故でも起こして、罰金では済まない場合は原則実刑になりますし、前の事件の執行猶予が取り消されることがあります。

(保釈保証制度について)

保釈請求をしたいのですが、手持ちのお金がほとんどありません。どうしたらいいでしょうか?

保釈金は例えば傷害や窃盗などでも100~200万円とされることが多く、一般の人にとって決して少ない金額ではありません。ただ、近時、弁護士の協同組合が裁判所に保証書を出してくれる制度が整いました。保証人や若干の手数料や保証金が必要となりますが、詳しくは弁護士にお尋ね下さい。
また、弁護士協同組合以外にも、民間団体から立て替えてもらう制度もあります(これについてもいくらか保証人や手数料などが必要となります)。ご相談下さい。

(勾留の執行停止について)

夫が窃盗事件で起訴され、勾留中です。お金が全くなくて保釈も請求できませんが、夫の実父が危篤状態になり、せめて死に目に会わせてあげたいと思いますが、何か方法はないでしょうか?

保釈がきかない状態ということを前提にすると、裁判所に勾留の執行停止を求めるしか方法はなさそうです。
勾留の執行停止が認められるのは、実務上、被告人が病気になり、外の病院で治療する必要がある場合とか、女性の被告人で裁判中に出産の日が迫った場合などがありますが、親や子供が危篤になったり、死亡して葬儀が行われる場合も認められることが多いです。
釈放されている期間は短く、1日とか半日というような制限をされることが少なくありませんが、勾留の執行停止は保釈金のようなお金は必要ありません。
親の最期を看取ったり、葬儀に出たいというのは人情ですから、弁護人に遠慮無くご相談下さい。